「もう眠い。」
「えー。…ひとがせっかく電話したのにそういうこと言っちゃいますか。」
「明日学校だしさ、まあかかってくるだろうなとは予想してたよ。」
「…そういうことばっか言ってるとトモダチ少なくなると思わない?」
「英二こそ夜遅くにひとの迷惑考えないで電話してるじゃん。」
「今晩は特別なんだから迷惑とか言うなよバカ。」
カレンダーにはその日がない。
ただ菊丸家のカレンダーには、マジックで29、と付け足されていた。
「俺んちなんかさ、姉ちゃんが不二くん誕生日ならってケーキまで焼いてさ。
…まあ家族で食ったんだけど。」
「要は行事好きってだけだよね。」
「不二のぶんとってあるから明日来いよ。絶対来いよ。
来なかったら俺が食う。」
「はいはい。まさかプレゼントまで用意されてたりするのかなあ…。」
「それは、…来てのおたのしみ。」
「明日、用事あるって言ったら?」
「う…ないだろ。」
「まさか僕ほどの人物が、お声のひとつもかからないとでも…」
「俺もついてく。」
「うわっ、迷惑。…なにもないけどさ。家族と明後日食事に行くくらい。」
「ねえ不二、」
「なにさ。」
「来年はさ、あるじゃん誕生日が。」
「ああ、…そうだね、」
「今年みたく忙しくないだろうしさ、みんなでお祝いしような。
もう今から約束。予定いれちゃダメ。」
「…いいよ。」
「今のテニス部面子集めて騒ぎたい。オムライス食べたい。カラオケしたい。」
「後半2つ英二の希望じゃん。」
「じゃー不二くんは何がしたいんですか。」
「そうだなー…高級中華行って、新しいPC買ってもらって、みんなに労ってもらう。」
「最後のだけは叶えられるかな…。」
「なんでもいいよ。ところで本当に眠いからもう寝るからね。」
「まじかよ。…あ、0時過ぎてんじゃん!ねえおめでと!15才おめでとーっ!!」
「あーうるさい。わかったわかった。明日また学校でね。」
「うん。一番に言ったぜ!」
「英二、」
「なにさ、」
「ありがとね。」
「…うん。」
「おやすみー」
電話を切った二分後に、目がちかちかするようなメールが来た。
男のくせにやけにファンシーで英二らしいなと思った。マメなことを。
07/03/01 0:08
件名:来年は四歳の誕生日だね